第99章 黒谷家破産

南坂海乃は翌朝、珍しく自然に目が覚めた。

熱でぼうっと膨らむ頭をこすり、重だるい感覚のまま体温を確かめる。身体の芯が火照っている。たぶん冷え込んで、風邪をひいたのだろう。

スマホには、一晩でいくつも通知が溜まっていた。

野口凛からのゴシップの共有。野口颯汰からは「祖父のお見舞い、来る?」という連絡。ほかにも、昔の同級生たちから同窓会の誘いがいくつか。

海乃はいくつかだけ選んで返し、別荘を軽く片づける。

まだ時間も早い。タクシーを呼び、そのまま病院へ向かった。野口颯汰の祖父の様子も、ついでに見ておこうと思ったのだ。

車は街でもいちばん賑やかな通りを抜ける。ちょうど黒谷優の会社の前を...

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